引き続き食虫植物のムジナモです。

 「ムジナモ(貉藻、狢藻)」モウセンゴケ科ムジナモ属の多年草水生植物で世界に1種1属
しかない珍しい水草です。
 浮遊性の水草で根は発芽時に幼根があるだけで通常はなく、葉がハエトリグサと同じ二枚
貝のような捕虫器官になっていて動物プランクトンを捕食します。補食葉は細長い茎を中心
に風車のように放射状に輪生しています。
 タヌキモが小さな袋状の捕虫葉を持ち二次元的・平面のように広がって見えるのに対し、
ムジナモは三次元的・円柱のように見えます。
 和名は形がムジナの尾を連想することから付けられたようで英名は Waterwheel plant
水車の名がついています。
 日本では1890年(明治23年)に発見され、現在は野生の状態ではほとんど見ることはない
ようです。レッドデータブックでは絶滅危惧1Aに分類されています。

ムジナモ。
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 捕虫葉は5mm程度。捕虫葉の内側にハエトリグサと同じく感覚毛が生えていて刺激で葉が
閉じます。閉じる速さは50分の1秒とハエトリグサより遙かに速く、しかも捕虫葉が小さく
水中にあるため観察は困難です。
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   日本のムジナモは関東平野の江戸川で牧野富太郎博士によって最初に発見されま
した。  その後、利根川、信濃川、木曽川、淀川の一部でも発見されましたが、いづれも
台風による出水や水質汚濁で次々と絶滅したそうです。
  最後まで残った埼玉県羽生市の宝蔵寺沼のムジナモは1966年(昭和41年)6月に、国
の天然記念物に指定されたが、直後の同年8月、台風4号の洪水で流出し、ついに日本では
自生地を見ることができなくなりました。しかし幸なことに、栽培品が生き残り、現在では
栽培方法も確立され、増殖しています。