鳥インフルエンザの気になるニュースです。(以下、野鳥の会ネット通信の抜粋。)

●状況
・韓国南西部の全羅北道の8ヵ所のアヒル農場で、H5N8亜型の高病原性鳥インフル
 エンザの感染発生が確認されている。(1/16~1/19)韓国政府から農水省に入っ
 ている情報)これ以外にも感染が疑われる症例が見つかりつつある。

・アヒル農場付近のドンリム(東林)貯水池で1/19に回収されたトモエガモなど4種
 98羽の死体のうちトモエガモ24羽分から、高病原性鳥インフルエンザのウイルスが
 検出された。
 死体の内訳:オオハクチョウ1羽、ヒシクイ7羽、トモエガモ89羽、オオバン1羽)

・アヒル、及びトモエガモへの感染源、感染経路は特定されていない。(アヒルが元か、
 野鳥が元かは今のところ分からない。)

●韓国政府の発表
 韓国・農林畜産食品部のプレスリリース(1/22)によれば、
・韓国南西部の全羅北道のアヒル農場で高病原性の鳥インフルエンザの感染発生が確認
 され、防疫のためアヒルの殺処分が行われている。

・5ヶ所の農場で高病原性ウイルスが検出された。これ以外に9ヶ所の農場でウイルスの
 確定検査が行われており、うち3件でH5N8亜型であることは確定され高病原性か
 どうかの検査が行われている。

・野鳥の死体は現在までに12件133羽で検査実施中。このうち1件24羽は高病原性
 H5N8と確定された。残り11件は検査中で、発生農場に近い東林(ドンリム)貯水池
 (トモエガモの大規模な越冬地)から回収した2件の60検体については、1/21夜に
 H5N8亜型と確定され、高病原性かどうかを確認中。その他9件は検査が進行中。

●韓国での報道
1月17日 韓国南西部の全羅北道(チョンラブクド)コチャン郡森林面の種アヒル農場で
 H5N8型高病原性鳥インフルエンザの感染確認。約21,000羽を殺処分。

1月19日 全羅北道扶安郡のアヒル農場で鳥インフルエンザ確認。

1月20日 全羅北道コチャンのアヒル農場付近の貯水池で野生のカモの死体から同ウィ
 ルスを検出。[朝日新聞](環境省に、野鳥の大量死はトモエガモ約100羽との情報が
 入る。)

1月21日 韓国・農林畜産食品部はトモエガモの主要移動経路にある霊岩湖(ヨンアムホ)
 、東林(トンリム)貯水池、錦江湖(クムガンホ)をはじめとする全羅南道(チョンラナム
 ド)、全羅北道地域に対する渡り鳥飛来状況の観察レベルを高め、人の出入りを統制
   することにした。トモエガモが数万羽以上の集団で動き湿地で越冬する特性を考慮し、
 主要地域を選定して監視するということだ 。特に錦江の河口にはトモエガモの群れが
 増えており、群山市(クンサンシ)と防疫当局が注目している。
 群山市と環境部によると前日に5万羽程度だったトモエガモは20日には30万羽に
 増えた。コチャンのトンリム貯水池でも20万羽のトモエガモが越冬中。
 [中央日報日本語版]

1月22日 韓国・農林畜産食品部は22日の会見で、鳥インフルエンザの感染が確認
 された農場は8カ所となり、感染したかどうか確認している農場は6カ所だと発表した。
 [聯合ニュース]

●国内の行政機関の対応(1月20日)
 環境省は、全国での対応レベルをレベル1からレベル2に引き上げる。
 (レベル2は、国内で単発の発生時の対応のレベル。)

1月21日 環境省は、トモエガモ(リスク種3)を暫定的にリスク種2に引き上げる事務
 連絡を発信。(これにより、トモエガモは1羽から死亡個体(衰弱個体を含む)検査対象
 となります。)
 この措置について、環境省からの事務連絡文書では、トモエガモ自身が多数死亡している
 ことから、本種がウイルスを運搬しているのではなく、感染しても発症せずにウイルスを
 運搬する他の種がいることも考えられます。トモエガモは鳥インフルエンザに対する感受性
 が高い(死亡しやすい) 種と考えられるので、異常個体の発見は、早期のウイルス侵入の
 発見につながることになるという措置としています。